長能会定期能

 13日は神戸の湊川神社神能殿に長能会定期能を見に行ってきました。

 面白かったのは能『項羽』。あまりメジャーとは言えない能なので、大まかなあらすじを書きますと。

 舞台は中国・烏江の野。草刈男たち(ワキ・ワキツレ)が秋草を刈り終えて家路につこうとしていると、ちょうど舟に乗った老人(前シテ)が来合わせたので、乗舟を頼む。対岸につくと老人が舟賃として、秋草を一本欲しいと望むので、草刈が秋草を差し出すと、迷うことなく朱色の花を選び出す。その花は項羽の后・虞氏の亡骸を埋めた塚から生えた虞美人草だといい、さらに項羽と高祖(劉邦)との戦いの様を語る。そして老人は実は項羽の幽霊であることを明かし、跡を弔うことを願って消え失せた。(中入)
 草刈男たちが項羽の跡を弔っていると、矛を持った項羽(後シテ)と虞氏(後ツレ)の霊が生前の姿で現れ、四面楚歌の中堪えかねた虞氏が身を投げると、項羽は慌てて矛の柄で水中を探す。やがて空しいと悟ると、項羽は決戦の場に向かい、苦戦し、悲憤の中に自らの頸をはねて果てた様子を再現するのであった。

 シテは吉井順一師の予定が、代役でご子息の吉井基晴師。しかし、「さても項羽・高祖の戦ひ。七十余度に及ぶといへども」から始まる戦いの様の「語」がとっても力強くて、全体的に引き締まった感のある好演でした。

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 09:17 | - | - | - | - |

彦根城能

彦根城博物館能舞台

 8日の話、最終編です。壬生狂言の『土蜘蛛』が終わると、友人と別れて京都駅へ急ぎました(友人に、残りの壬生狂言の感想レポを頼むのは忘れません・笑)。目的地は約10日ほど前に行ったばかりの彦根城博物館。

 前回の時に「彦根藩の能楽史」を知れたことが嬉しくて嬉しくて。「彦根藩の主な流派だったという喜多流と、井伊直弼ゆかりの狂言『狸腹鼓』の上演です。面白そうですね」と書きましたが、その日が偶然ながら休みだったので、これは行くっきゃないと!

 寂昭法師さんに教えていただいたのですが、演じられた『竹生島』『自然居士』ともに琵琶湖が舞台の能ですし、また「女体」の小書(特殊演出)は井伊家の好みで作られたものなんだそうです。

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 18:09 | - | - | - | - |

河村能舞台

 京都の河村能舞台に、今日、初めて行きました。河村定期研能会を見るためです。同志社大学のすぐ北にありました。

 このあたりって、同志社に進学した中学以来の友人宅に泊まり込みで遊びに行くたびに、彷徨い歩いていた場所なんですが(笑)、ここに能舞台があるって全然気付きもしてませんでした(^^;)

 見所は畳で、古き良き能楽堂という感じ。橋掛かりの欄干の曲がり具合は山本能楽堂そっくり。初めて行く場所だしと早めに行ったら、一番前の席が取れてしまいました。

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 00:27 | - | - | - | - |

世阿弥ゆかりの小べし見

 昨日は休み。最近は休みの日は、しがみついたって能に触れてやると思ってます(笑) というわけで、大阪観世会定期能へ行ってきました。演目は平野元章師の能『班女-笹之伝』に善竹忠一郎師の狂言『仏師』、観世清和師の能『鵜飼-空之働』でした。

 で、今回印象深かったのは、何と言っても『鵜飼』の後シテに使われた面! 観世宗家に伝来する赤鶴(しゃくづる)作の「小べし見」でした。世阿弥の聞書を息子がまとめた『申楽談儀』という本がありますが、それによれば世阿弥も使っただろうという面なのです。

 出合の飛出、此座の天神の面、大べし見、小べし見、皆赤鶴也。…大べし見、天神の面、もっぱら観阿よりの重代の面也。…小べし見は、世子着出だされし面なり。余の者着べきこと、今の世になし。彼面にて、鵜飼をばし出し出だされし面也。異面にては、鵜飼をほろりとせられし也。面も、位に相応たらんを着べし
(『申楽談儀』面の事)
続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 02:52 | - | - | - | - |

日伊喜劇の祭典

 昨日は「日伊喜劇の祭典 狂言とコンメディア・デッラルテ」を見に、名古屋能楽堂まで行って来ました。この催し、「四季の狂言の会」でお世話になりました善竹忠重師・忠亮師親子も出演されるため、打ち合わせの際などにコンメディア・デッラルテの話をお聞きしたのですが、そこから興味をそそられたのです。

 別に名古屋まで行かなくとも29日に京都公演、30日に大阪公演もあるのですが…休みが取れなかったものでして(^^;) 東京公演中にも休みがないわけではないのですが、東京はやっぱり遠い、でも名古屋なら、と日帰りで行って来ました。

 コンメディア・デッラルテは、16世紀中ごろに北イタリアで生まれた、仮面を使用する即興演劇。18世紀頃にかけてヨーロッパで流行し、現在もなお各地で上演され続けているそうです。Wikipediaの解説によると、

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 09:34 | - | - | - | - |

能楽囃子の世界

 先月28日の話。大阪府吹田市の吹田歴史文化まちづくりセンター「浜屋敷」まで行ってきました。「能楽囃子の世界〜室町の舞〜」という催しを拝見するためです。

 「浜屋敷」は吹田市が2000年に寄付を受けた古民家を改修して、江戸末期の庄屋屋敷を再生したもので、前半は土間に椅子を並べた客席に、使用人たちが食事をしていた台所を舞台として演じられたのですが、その台所は立派な板の間で、しかもちょうど4本の柱に囲まれていますし、橋掛りの代わりになりそうな通路もあって、思わず「うまく出来ているものだな〜」と感心してしまいました。

 開演まで客席で本を読んでいたのですが、舞台側から聞いたことのある声が聞こえて、顔を上げると、司会として桂吉坊さんが登場されてました。チラシのどこにもお名前が書かれていませんでしたので、少し驚きましたが嬉しい。司会だけでしたが、落語も拝聴したかったです(笑)

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 07:58 | - | - | - | - |

五人囃子の会

 さて、「五人囃子の会」の感想、お囃子篇です。五人囃子というわりに、3月3日からは結構ズレているなぁ…と思っていると、この時期こそが旧暦の桃の節句だそうです。

 雛祭りの五人囃子が、能楽の囃子方(笛・小鼓・大鼓・太鼓)と謡方であることは能楽ファンなら周知のことですが、一般にはあまり知られていないようで、時々、太鼓方が笛をつかんでいたり、小鼓と大鼓が逆の五人囃子を見たりすることもあります。

 学生のころ、3月初めに能楽部の合宿をしたところ、利用させていただいた民宿が玄関に雛人形を飾られており、それをご覧になった師匠が「おお、きちんとあってる」と感心なさってましたが、逆に言えばそれだけきちんとした五人囃子を見る機会が少ないんですよね。

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 23:59 | - | - | - | - |

おおさか・元気・能・狂言

 先月を振り返ってみると、ブログが4回しか書けてません…。学生の頃のように、ほぼ毎日は書けなくとも、一応、3日に1回を目標にしているのですが、全く守れていません。書きたいことはいろいろありますし、日々生活の中で「あ、これブログのネタになるな〜」と考えてしまう癖はそのままなのに、PCの前に座って書く時間がない…。

 でも、なんとか書けるときは書いていきますので、どうか見捨てずよろしくお願いいたしますm(__)m

 さて、既に月が替わっていますが、2月23日はNHK大阪ホールへ「おおさか・元気・能・狂言」を見に行きました。A席1,000円で、大槻文蔵師の能が観れると思えばこそ!

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 10:32 | - | - | - | - |

心味の会

 今年二度目の観能。今度は2月10日(土)「心味の会」の公演です。「心味の会」は、浦田保浩師・浦田保親師(シテ方観世流)、谷口有辞師(大鼓方石井流)、茂山正邦師(狂言方大蔵流)、曽和尚靖師(小鼓方幸流)による能楽師グループ。

 能楽はシテ一人主義だといわれることもありますが、結局のところ、バランスの取れた演者同士の力のせめぎ合いこそが何よりの魅力だと思うので、こういったシテ方・狂言方・囃子方とそろったグループが存在しているのは、良いなぁと思うのです。

 …と内心応援しているつもりなんですが、なかなか公演日と予定が合わず、参るのは今回がようやくの二度目。ごめんなさい。今回の演目は狂言『鈍太郎』と能『松風』。前回行った時が狂言『釣狐』と能『小鍛冶』だったのに比べると、少々難しめの曲です。メンバー浦田保親師のブログによると

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 09:17 | - | - | - | - |

本年初観能

 ようやく今年初観能ができました! 若手能大阪公演を第一部・第二部通しで拝見してきました。…とは言ってもすでに1週間前の話。完全に旬を逃しています(^^;)

 ただし…やっと能が見れる!と前日から興奮しすぎ、完全な寝不足でした。とっても面白かった『萩大名』でも、大名の「床机を持て」のセリフから、太郎冠者の「(庭の亭主が)そこへ出ました」のセリフまで意識が飛んでました(苦笑) あとで台本で確認したら数行なので、ほんの一瞬だったわけですが、どれだけ最悪な体調で能を見に行っているのでしょう。本末転倒です。

 狂言『萩大名』でこんな有様ですから、他は言わずもがな。特に宝生流舞囃子『龍田』は神楽で完全に沈没…。石黒実都師、結構好きな方なのに残念です。

 というわけで、改めて教訓。能・狂言を見る前日はしっかり休みましょう(笑)

続きを読む >>
funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 10:35 | - | - | - | - |
2/10PAGES | << >> |

12
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
RECOMMEND
花よりも花の如く 7 (花とゆめCOMICS)
花よりも花の如く 7 (花とゆめCOMICS) (JUGEMレビュー »)
成田 美名子
能楽師を主人公にしたコミック第7巻。今回は憲人出演のTVドラマのお話がメイン。ドラマの舞台が京都なのが関西勢としてはちょっと楽しい。
RECOMMEND
 (JUGEMレビュー »)

CDなのに深いコミや息使いが感じられるかのよう。最高の能楽囃子CDだと思います。
RECOMMEND
中・高校生のための狂言入門
中・高校生のための狂言入門 (JUGEMレビュー »)
山本 東次郎, 近藤 ようこ
中・高校生に独占させるのはもったいない狂言入門書です。"再入門"にも最適。
MOBILE
qrcode
OTHERS
LATEST ENTRY
CATEGORY
ARCHIVE
LINKS
PROFILE
SEARCH