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第29回 富松薪能

お師匠さん(前管理人の柏木ゆげひさん)もベルギーに行ってしまわれたし(?)いまだに片付けていなかった夏休みの宿題をひとつ。(って、すみません、まだ溜め込んでいました...)

今更ながら、去る(まったく「去る」です)7月26日行われました、富松薪能の記録を残しておきます。

富松神社(「とみまつ」と入力すると一発で正しく変換してくれることを発見!でも、「とまつ」と読みます。)は尼崎市北部に位置する神社です。

百人一首にある大弐三位の

有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする

の「猪名の笹原」はこの辺りのようです。

JR武庫之荘駅から徒歩15分ほどとあったので、駅から神社まで歩いてみましたが(結構遠かったです。行かれるときは是非、バスをお勧めします--;)、なるほど古い建物も多く、歴史が感じられる町並みでした。(一本筋が違うと田圃ばっかりだけど)。

姫路薪能では浴衣姿の若い女性も多く見かけましたが、こちらはご近所さんが普段着のまま自転車でやってこられるような、とてもローカルでアットホームな雰囲気です。

でも、鎮守の森の木々は大きく育ち、地元の方たちに大切にされている感じが伝わってくる、とても素敵な神社でした。境内に建つ能舞台も立派です。神社の本殿に向かって建てられているのには、なるほどな、と(薪能は神様に奉納するものですから)。

見所がひな壇になっていないので見難かったですが(薪能はどこもそうですが)、舞台に加えて全体の雰囲気がとてもよい薪能でした。

狂言『太刀奪』は若干セリフが聞き取りにくかったものの(座る場所のせいもあるかもしれませんが)、「泥棒を捕らえて縄をなう」という誰にでもおかしいシチェーションで、皆さん楽しそうに見てらっしゃいました。

能『土蜘蛛』は、さっと開くはずの蜘蛛の糸が風に押し戻され、おシテの面にモロにかぶってしまい、いつもより見所の「おぉ〜」度がちょっと低かったのが残念でしたが、若くてりりしい独武者(独なのに三人)はなかなか目の保養なのでした。

合間合間に入る解説は(毎年こられている)岐阜大学の伊東久之教授。演目の解説は上の空でしたが(ごめんなさい)、拍手について触れられているのが印象的でした。能は何もない舞台に始まって、それがまた元の無に戻って終わる、だから、「無」になるまで待ってから拍手をしてはどうか、というご提案でした。私はこれに大賛成です。とにかく、順番に幕のうちに入られる役者さんたちを追いたてるようにしてパラパラとなる拍手は心が痛いばかりですし、余韻が消える(--#)!かと言って、拍手なしでは見所の感想と感謝の気持ちは役者さんたちに届かないし。十分に余韻を楽しんでから、心をこめて拍手。いいじゃないですか。これ、能楽だけじゃなくて、それぞれ、余韻の終わるタイミングは違うかもしれないですが、たとえばクラシックコンサートや、オペラ、お芝居でも同じことだと思います。

話がそれましたが、地元に根付いた感のある薪能でしたが、意外に初めてお能を観る!って人も多かったようで、アットホームな雰囲気も手伝ってか、今まで行ったどの薪能より、終演後「蜘蛛の糸」集めをしている人の数が多かったような気がします。

とても心温まる薪能でした^^。


第29回 富松薪能
2008年7月26日(土)17時半〜 於・富松神社

★仕舞 尼崎こども能楽教室

★仕舞 武庫川女子大学能楽部

★狂言『太刀奪』
 安東伸元
 原 裕之
 金久寛章  (後見) 寺西亮太

★火入れ式・挨拶

★仕舞『野宮』 吉井順一

★能『土蜘蛛』
 前シテ=吉井基晴   後シテ=山村啓雄
 頼光=下川宣長   トモ=梅谷 宏
 胡蝶=山村修三
 独武者=福王和幸・喜多雅人・福王 知登
 
 笛=野口亮 小鼓=古田知英 大鼓=上野義雄 太鼓=井上敬介

解説:岐阜大学教育学部教授 伊東久之

funabenkei | 能・狂言鑑賞記録 | 17:30 | - | - | - | - |

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