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熊野本宮大社の能面

和歌山県立博物館前にあった吉宗公の銅像

 さて、さっさと日記書いていかないと追いつきません(笑) 17日は和歌山県へ出かけてきました。和歌山県日高川町にある古刹・道成寺に設けられた特設会場で能『道成寺』が演じられるという「道成寺de『道成寺』」公演を拝見するためです。

 が、道成寺は遠いです。せっかく遠出するのだからと、途中で和歌山市にある和歌山県立博物館に寄り道。こちらの博物館は2005年に「きのくに仮面の世界−高野山周辺の芸能と紀伊徳川家の能−」という特別展を催してらっしゃいまして、当時、学芸員の大河内智之さんからご案内を受けたものでした。

 残念ながら2年前には参ることができなかったので、今でも図録ぐらい手にはいるかな〜と思って行ったのですが、残念ながら完売済み(涙) 学習室の閲覧用に残っていた図録を舐めるように眺めて…満足行くはずもなく(笑) 「コピーさせていただけませんか?」と受付のお姉さんに懇願。本当は禁止なんだそうですが、学芸員の方にかけあって一部分だけ特別にコピーして下さいました。大感謝です。

 現在、和歌山県立博物館では「熊野本宮大社と熊野古道」展が行われていました。せっかくなので覗いてみました。熊野でも特に本宮を中心に、その参詣の歴史と熊野本宮が所蔵している文化財の展示でした。

 能楽ファンとして嬉しかったのは、熊野本宮大社に伝来する能面27面が展示されていたこと。うち10面ほどは女面でしたが、ほかにも「小尉」「大べし見」「黒髭」「小天神」「顰」「般若」「三日月」「泥眼」「姥」「平太」「中将」「邯鄲男」「童子」「猩々」と、それなりに種類が揃ってました。

 ただし、熊野本宮は明治22年(1889)に建物がほぼ壊滅するような大水害を受けています。以降、創建以来の土地から水を避けて、本殿が高台に移動したぐらいですから、どれだけ酷い被害だったのか想像できますね。

 その時に能面もかなり被害を受けたようで、正直、酷い有様でした。表面の彩色はほとんど剥げているものばかりですし、面の端が大きく欠けたり、割れたものまである始末…といった様子で。

 水害以降、この能面は実際に使われることはなく、ただ保管されてきたというだけなのでしょうが…ちょっと酷いなぁと感じます。今からでも、きっちりとした能面師の方に、修復をしていただけないものでしょうか。

 展示には、江戸時代の熊野本宮の様子を描いた絵図がいくつかありましたが、それらの絵図には本宮の礼殿の先に、楽屋と本舞台を橋掛かりで結ばれた「能舞臺」が描かれていますから、熊野本宮では時々能や狂言が演じられていたのだろうと思います。『紀伊続風土記』という江戸時代後期に編纂された地誌にも熊野本宮の4月の祭において、舞台正面に神輿をおいて「猿楽翁舞」が行われたとあるそうですし。

 能面の隣に展示されていた明治18年(1885)編纂された熊野本宮「宝物並古文書目録」には、「翁古面」「三番叟翁」、慶長19年(1614)に奉納されたらしい「綾地能装束」、紀伊藩初代藩主の徳川頼宣が熊野本宮で能『桜川』を演じた際に使用し、そのまま奉納したという「紅葉長絹」などが載っていましたが、これらは現在は伝わっていないそうです。これも水害で失われたのでしょうか。

 ともかくも、古い文化財が現在まで伝わって来るということは、所蔵者による大切に保管しようとする努力と、あとは運にも左右されるんだなあ、と感じたものでした。

世界遺産登録記念特別展「熊野本宮大社と熊野古道」
◆10月6日(土)〜11月25日 於・和歌山県立博物館(和歌山市吹上)
 開館時間:9時半〜17時 休館日:毎週月曜日
●一般:800円(団体:650円)、大学生500円(団体:400円)
 高校生以下、65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方、
  県内在学中の外国人留学生・外国人就学生は無料
 「関西文化の日」(11月17日・18日)は入館無料

 なおアップした写真は、和歌山県立博物館の前にあった徳川吉宗の銅像。私の撮影技術が下手で完全にシルエットしか見えませんが、白馬にまたがっています。となると歴史の人物としての吉宗というよりは、『暴れん坊将軍』のオープニングをイメージしてしまいます。あのテーマ曲が頭の中を流れます〜(笑)

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