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自ら演じる楽しみ…能楽WS

 能や狂言は「見る」楽しみがある一方で、プロに習って自ら「演じる」楽しみというのが確実に存在します。楽器演奏である囃子も「演じる」の内。「演じる」楽しみにハマり込んでしまうと、これこそ抜け出せません。

 本館の掲示板でも書きましたが、私は現在、大槻能楽堂で行われている「舞台芸術ワークショップ・大阪2005 能楽」に参加しています。阪大の天野文雄教授による講義と、シテ方観世流の能楽師の方々による実技指導がセットになったWSで、能の鑑賞力アップが目的ですが、同時に2月に上演される復曲能『巴園』の復曲現場に立ち合い、参加者によって演じる、という目標も設定されています。

 私、復曲能『巴園』において、後ツレ「青龍」の役をいただきました。最後の数分に登場するだけの端役ではありますが、念願の立方です! 最近は役別の稽古に入りましたが、稽古を受けていると、この寒い時期にも関わらず毎回汗だくになってしまいます。替えのシャツを持って行って正解。そのまま、汗に濡れたシャツを着ていたら、また風邪引いてしまいます(笑) しかし、必死に精一杯の記憶力と体力を使って稽古を受けるのは、非常に楽しい時間です。

 「復曲能」とはいっても謡のテキストが残っているだけで、謡の節や立方の型、お囃子の手などは新作されます。年が明けてからも型が変化したりと、普通の曲ではあり得ない経験もしています。いろいろな型を試して、良いものを採るという試行錯誤の経過なんですね。

 「無理なら前の型でも良いですけれど…」と先生は仰いますが、新しいもの好きな私は「いえ、新しい型で舞わせて頂きます!」と(笑) 「青龍二人の童子を守護し。雲を巻き上げ行く跡を」という謡の部分では、橋掛りを三回転半しながら二之松まで行くので、目が廻りそうになりますが、頑張ります。

 正月が明けると、早速「今日から面を掛けて稽古します」と。面を掛けると本当に視界が制限されて、足元が不安で不安で。後ツレ「青龍」は幕から走り出て、そして走り帰るといった動きの激しい役ですから「私はエラい役に付いたな」と少し後悔もしましたが、とにかく必死にやるしかありません。

 私が稽古を受けている隣で、福王家総出(茂十郎師・和幸師・知登師)でワキ・ワキツレの稽古が付けられていたり、間狂言の指導を善竹隆平師がなさっていたり。前シテ・前ツレの方々が謡を合わせていたり。私は間違いなく、他では味わえない空気を吸っています。

 WS参加者による成果発表会は2月3日(金)19時〜。会場は大槻能楽堂。素人の演能ですから当然、入場無料。もしご都合が宜しい方は是非見にいらして下さい。あと10日ちょっとですから、完全燃焼で頑張りたいと思います。kemuru_jinさんのブログにチラシが載ってます。

 ちなみにプロによる『巴園』本公演が2月5日(日)14時からあります。WSの最後のプログラムとして拝見することになっていますので、こちらも楽しみです。


復曲能『巴園(はえん)』
作:観世小次郎信光 監修:天野文雄・大槻文藏

分類:脇能物、唐物、太鼓物
人物:
前シテ(翁) 前ツレ(姥)
後シテ(翁) 子方(童子、二人) 後ツレ(青龍)
ワキ(漢の臣下) ワキツレ(従臣) アイ(仙人)

〈あらすじ〉
 漢の国のかたわらのある巴園の橘の古木に、大きな実が生ったという。そこで、皇帝の命を受けた臣下が、巴園を訪れ、木守の老人夫婦にその橘の実のいわれを聞く。夫婦は臣下をその古木に案内し、巴園のめでたさを賛美する。やがて臣下が帰ろうとすると、橘の実の中からしばらく待つように童子の声があり、夫婦は酒宴を催すように勧めて、園の奥に入って行った。(中入)
 そこへ仙人が現れて今までの経緯を語り舞って去ると、翁が甘酒を捧げて戻ってくる。そして持っていた竹杖で橘の実を打つと、実は二つに割れて、中から霊薬を持った二人の童子が現れる。童子と翁は共に舞を舞い、その不死の霊薬を皇帝に捧げる。さらに童子は、翁の持っていた竹杖を青龍に変じさせ、その青龍に乗って昇天するのであった。

 一昨年の12月に東京の金春流で復曲された『橘』と同じ話を元ネタにした能です。元ネタが同じく似た曲は他にもあったそうで…昔は割と人気のあった話なのでしょうね。

 いわゆる初番目物に分類される能で、霊異譚というか昔話っぽい話です。ですからドラマ性には乏しいですが、大小前に大きな橘の実を象った作り物が出されるそうで、割と派手な曲になりそうです。

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