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能楽WS 初日

 前に「前代未聞の能楽ワークショップ」としてこのブログに書いた『舞台芸術ワークショップ・大阪2005 能楽』。私自身も申し込みし、参加できることになりました。最終的には約3倍の倍率になったそうで、そんな中からよく自分が参加できることになったなぁ、と思ったりしますが。

 というわけで、今日が初日。大阪大学の天野文雄教授による「演劇のルーツ」という講義&シテ方観世流の大槻文蔵師による「謡稽古入門」でした。

 「演劇のルーツ」は演劇全般の話ではなくて、「能と狂言のルーツ」の話。乱暴に要約すると、能・狂言は平安〜鎌倉時代に人気のあった滑稽主体の雑芸であった「猿楽」から発展したものであり、その直系の子孫が狂言で、能はそこから「隔たった異質なものとして誕生」した弟分であるという話だったと思います。

 それに続いて、いくつか細かく(私にとっては)面白い話。いろいろあったのですが、例えば、能楽の大成者である世阿弥(1363-?)が、字づらの良くない「猿楽」の文字を嫌って、「サルガクは本来は“神楽”であるのだから、“神”の旁を用いて“申楽”と書くのが正しい」といったことを『風姿花伝』に書き残しているのは、世阿弥のプライドを感じさせる話で面白いですね。ただし、「申楽」の文字を使っているのは、歴史的に見ても世阿弥ぐらいしかいませんが(笑)

 それから、南北朝時代の貞和5年(1349)。春日若宮の臨時祭で、巫女が猿楽の能を演じたという記録があるのですが、その中に

一、ツイハラヒノマイ(露払ノ舞)、ムメワウ御前
一、ヲキナヲモテ(翁面)、ヲトツル御前
一、サンバサルガウ(三番猿楽)、左一殿カゞ御前

という記録があります。「露払ノ舞」は千歳、「三番猿楽」は三番三(三番叟)のことですから、今でいう『翁』です。今は女人禁制とされている『翁』ですが、この記録では「梅王御前」「乙鶴御前」「加賀御前」といった女性が演じているというのは面白いですね。もちろん専業役者ではありませんし、巫女という神に仕える者ですから、特殊なのかもしれませんけれど。


 大槻文蔵師による「謡稽古入門」は、謡の構造的な仕組みや節について一通り解説するもので、いきなりでは難しい内容だったと思います。(まあ、大槻師も「詳しいことは実際のお稽古に入ってから」と仰ってましたが)

 もっとも私は謡の稽古を受けていましたから、復習的な内容でした。非常に明確に理屈立てた解説だったので、感覚的にしか分かっていなかったことで、「あ、なるほど。こういう理屈だったんだ」と捕らえ直すことができた部分もありました。

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funabenkei | 能・狂言ワークショップ | 23:51 | - | - | - | - |

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