明石市魚住町住吉神社 卯の花まつり

子ども仕舞
本日は明石市魚住町の住吉神社へ「卯の花まつり」に参りました。神社創建に由来する祭礼とのこと。

朝から夕方まで雅楽を中心に、いろいろな芸能が奉納されています。その中に伊原昇先生が指導されている子ども仕舞もありました。子どもさんたちが懸命に舞う姿は素敵です。世阿弥が『風姿花伝』年来稽古条々に書いている「先、童形なれば、なにとしたるも幽玄なり」という言葉は、まさにこのことか…!と感じました。
続きを読む >>
柏木ゆげひ | 行ってきました | 01:23 | - | - | - | - |

能本をよむ会「大江山」

 今週水曜日は能楽師で同時に学者の味方健先生「能本をよむ会」へ行ってきました。会場はJR京都駅前のキャンパスプラザ京都。参加者はかなり多く50人近くいたんじゃないでしょうか。お年を召した方が多いですけれど、普通に研究的な話なども入るのに、味方ファンのレベルの高さを物語っているのでしょうか。

 今回のテーマは〈大江山〉。源頼光による大江山の酒呑童子退治の話を仕立てた能です。味方先生は鬼退治ものとして「たわいもない」と仰りながらも、最初が一声から始まることや、地謡の中に小歌ノリがあることなど作者不詳ながらいい加減な人物ではないとおっしゃる。酒宴のあたりは山伏と童子の衆道の関係を臭わすし、修辞も凝っていると。

 私自身の感想としては〈大江山〉は学生最後にお稽古を受けた謡で、自演会でも謡った思い出深く、好きな曲だけに、味方先生がそう仰ってくださるとなんだか安心します(笑)

 童子と山伏、天狗というと〈花月〉の話などもありますが、そのあたりのアヤシイ雰囲気が、能としての奥行にもつながっている気がします。実際に上演すると、ワキが人数が多くて大変だそうですけれど、、、。

 配布資料の本文は野上豊一郎『解註 謡曲全集』のもので、喜多流の詞章でした。そんなわけで、観世流とは本文が違う部分もあるのですが、そこから明和改正謡本批判につながったりするのが凄いです。

 あと渋川本『御伽草紙』の「酒呑童子」の絵もコピーして載せてらっしゃいましたが、これに登場する酒呑童子の恰好が、長袴に見えるところから、能〈大江山〉の替装束の場合と似ていて、なんらかの関連があるか、とのこと。

-----------

 学問的な話だけでなく、実演家としての実感にあふれたこんな謡曲講義はほかにないと思います。〈大江山〉に直接関係ない話も結構あるのですが、それはそれでいろいろと興味深い話ばかりで。

 次回は8月17日(水)14時半〜、曲は〈楊貴妃〉とのことです。
JUGEMテーマ:能楽


柏木ゆげひ | 行ってきました | 17:29 | - | - | - | - |

大川瀬住吉神社の能舞台

大川瀬住吉神社能舞台
 私が育った街は新興住宅地が人口の大半を占めている街で、古典的・伝統的である能楽とのゆかりなんてないと思っていたのですが、先日、大阪の観世流の名門・大西家の御先代、大西信久師の『初舞台七十年』(1979年)という本を読んでいたら、大西家一門の坂口信男師による、私の育った街にある神社で奉納能が行われている文章が収められていたので、びっくりしました。

 以下引用。

----------------------------
大川瀬の能

 三百年の伝統を持つ、兵庫県大川瀬住吉神社(石原幸雄宮司)の、能狂言奉納が昭和四十八年四月十六日に、同社の舞台で催されました。
 この、奉納能のことの起りは、昔、大川瀬地区と隣地区との間に何かの争いが生じて、遂に訴訟沙汰になりました。その時、大川瀬地区の人々は、住吉神社に「この度の訴訟に勝たしていただけば、十年毎に能を奉納します」と、願をかけたのだそうです。そして、その訴訟に勝ったので、この行事が始まったといわれています。
 以前は、手塚亮太郎師が奉仕していましたが、戦後は、信久師が十年毎に奉仕しています。
 当年は前回からでは十三年目になりますが、これは住吉神社が重要文化財に指定されたのを機として、社殿修復を行った都合で、三年おくれになったのだそうです。
 当日は信久師一門および関西の三役方一行五十余人の大勢で奉仕しました。
 信久師の翁に始まり、乱・双之舞まで、能六番に、見所は堪能しきっていました。特に智久師の長男礼久君(五才)、次男孝久君(四才)の小袖曽我、相舞には、見所の拍手が、会場をかこむうっ蒼とした杉木立に、しばしなり止まずにこだましました。
 約千平方メートル程の境内には、地元の氏子八十人余をはじめ、阪神間の愛好者等、六百人程の人々が見所を賑わしていました。
 翁が終る頃には、朝からの雨も止み、見所は枡席にビニールを敷き、重詰めのご馳走をつまみ乍ら酒をくみ交わすなど、伝え聞く昔の勧進能さながらの風景でした。
 同席した寺本博行君は「野外で能を見るのははじめてです。田楽の盛んな時代には、野外で村の人達に鑑賞されたのが本来の姿だったと聞いていますが、今日はよい勉強になりました」と、しみじみ、古典の世界にひたっていました。
(坂口信男記)
----------------------------

 38年前の文章ですから今より随分景気も良かったのでしょうが、〈翁〉付きの能6番の奉納能ですから随分豪華だったのでしょうね。坂口信男師が番組も記録しておいて下さっていればより嬉しかったのですが。

大川瀬住吉神社能舞台
 さて、この大川瀬の住吉神社。機会があったので、訪ねてみました。新興住宅地が中心となった今の街の中では外れといって良い場所にある神社なのですが、本殿は国の重要文化財、能舞台も県の文化財に指定されているという立派な神社で、鳥居も最近新調されたのか森の中で赤く映えていました。

 調べても電話番号など連絡先が分からず、いきなり訪ねて、しかも社務所で何かの宴会中だったにも関わらず、快く対応していただけて、ありがたかったです。天気が悪かったので、雨風よけの戸を開けて舞台の様子を見ることは叶わなかったのですが(連絡をくれたら開けても良い、と仰っていただけましたので、次の機会を狙ってます)、今でも大西家が10年ごとに奉納能を行っているそうで、次回は再来年の平成25年の予定とのことでした。

 なお、市のホームページによると、「本来は桁行1間梁間2間の舞殿として建てられた物に、隣接する長床を廊下で結んで橋掛かりとし、能舞台として使っている。創設年代は不明であるが、社記に『享保11年(1726年)舞堂修繕』とあり、柱が大面取りであることから江戸初期と考えられる。能楽奉納の始まりは寛文年間(1661年〜)からであると伝える」と。

 再訪までには市史を見るなど、より下調べをしたいな、と思っています。とりあえず名生昭雄著『兵庫県の農村舞台』(和泉書院、1996年)という本に少し載っているという情報を得たので、それを取り寄せてみました。届くのが楽しみです。
柏木ゆげひ | 行ってきました | 18:13 | - | - | - | - |

伏見稲荷大社の能舞台

伏見稲荷大社
 伏見稲荷大社と能といえば能〈小鍛冶〉の舞台です。すでに先々月の話ですが、伏見稲荷大社に初めて行ってきました。すると本殿の脇にどう見ても能舞台としか言えない神楽殿を見つけて興奮していた私。

伏見稲荷大社
 そして行ってからひと月あたりも経った頃になって、行く前から少しずつ読み進めていた大阪大学の天野文雄教授の著書『能楽逍遥(下) 能の歴史を歩く』という本の後半に「伏見稲荷大社の能舞台〜建造の経緯とその後の歩み〜」という論が収録されていたことに気付いて凹みました(苦笑) バカ丁寧に最初から順番に読んでいたのですが、せめて目次を気をつけて見ていれば…、と悔やみました。

 以下、天野先生の本によって書いていますが。

 伏見稲荷大社の能舞台は明治15(1882)年にシテ方金剛流の金剛謹之輔(今の金剛永謹家元の曾祖父)とその後援者が、当時行われていた伏見稲荷大社の修復にあわせて奉納したもの、とのことです。謹之輔が伏見稲荷大社に能舞台の奉納を思い立った具体的な理由は分からないものの、彼が〈小鍛冶〉の芸に悩んでいて稲荷の長者社に籠ったところ、「白頭」の小書(特殊演出)で演じられる「狐足」という足遣いを感得したというエピソードがあるらしいのは面白かったです。

 翌明治16年9月15日には舞台披きの能が行われ、金剛流の大パトロンだった大阪の両替商・平瀬露香の能〈小鍛冶〉、同じく観世流の大パトロンだった伊丹の酒造業者・小西新右衛門の能〈道成寺〉、そして片山家6世の片山晋三による能などが演じられたとのこと。平瀬・小西のふたりは、大阪の商人と能ということで調べたこともあるので、嬉しくなってしまいました(^^) ただこのとき、能舞台奉納の中心人物であった金剛謹之輔がシテをつとめていないことがちょっと気になりますが……。

 以来、春秋に定期的に奉納能が演じられるなど伏見稲荷大社の能舞台は使用されていたみたいです。中には3000人もの見物客を集めたという昭和5年の梅若万三郎・六郎兄弟による奉納能などもあったようですが、昭和34年の稲荷大社修復の際に、能舞台は西側後方に移転、同時に橋掛かりが舞台に対して直角になるように変更され、名前も「能楽殿」から「神楽殿」へと改められて以来、能が演じられた記録はないそうです。

(茂山千五郎家・忠三郎家による狂言奉納は行われているようですが)
柏木ゆげひ | 行ってきました | 22:14 | - | - | - | - |

ハムレット

先日はかねてより楽しみにしていました『ハムレット』を観てきました。主役のハムレット(劇中では忠亮)に狂言方の善竹忠亮師、オフィーリア(鮎姫)にオペラ歌手の土田聡子さん、脇を固めるのもみな狂言師さん、音楽はジャンベとバイロンというシンプルな打楽器だけ、という異色の舞台です。

柱をはずした大阪能楽会館の舞台を初めて見ました(笑)。
続きを読む >>
funabenkei | 行ってきました | 11:24 | - | - | - | - |

菅楯彦の世界

菅楯彦の世界

 そろそろ今月も半分が終わろうとしていますが、先月の話(苦笑) 先月最後の休みだった10月27日(土)は、中学以来の友人である「218」くんと一日中遊んでいました。218くんは、私が彼の家に上がり込んでは、たびたびお酒を一緒に飲む相手ですが、昼間に一緒に行動するのは久しぶり。

 朝、大阪梅田で待ち合わせて、向かうは芦屋市立美術博物館。「浪華風俗を描く−菅楯彦の世界−」という展覧会が催されているのを、大学で美術部に入っていた218くんの希望で見に行ったのでした。

 菅楯彦(1878-1963)という画家は、私は全く知らなかった方なんですが、鳥取県で生まれたものの、幼少の頃に大阪に移り住んでからは生涯大阪で暮らし、自ら「浪速御民」と名乗り、何よりも大阪を愛した方だそうです。穏やかな中にユーモアの感じられる画風に、今は失われた古き浪速風俗を描いていることから、とっても興味を持って見ることができました。

続きを読む >>
funabenkei | 行ってきました | 09:43 | - | - | - | - |

「狩野永徳」展と「能楽と美術」

「狩野永徳」展

 19日は京都国立博物館へ。「狩野永徳」展と特別陳列「能楽と美術」を見るためです。

 掲示板でこっこさんに教えていただきましたが、京都は現在「きものパスポート」のキャンペーンが行われていて(〜12月25日)、着物を着ていくと色々な割引が受けられるそうですが、この日は激しい雨が降っていたので、着物は断念しました。でも、チケットショップで「狩野永徳」展の前売券をゲット。これが「きものパスポート」の割引と同じ額でした。あれ?(笑)

 「狩野永徳」展は…他に行った人の話を聞くと土日は大変な混雑ぶりのようですから、平日の、しかも雨の日に行って正解だったと思います。しかし、私の美術・芸術オンチぶりを確認する特別展となりました。

続きを読む >>
funabenkei | 行ってきました | 11:31 | - | - | - | - |

熊野本宮大社の能面

和歌山県立博物館前にあった吉宗公の銅像

 さて、さっさと日記書いていかないと追いつきません(笑) 17日は和歌山県へ出かけてきました。和歌山県日高川町にある古刹・道成寺に設けられた特設会場で能『道成寺』が演じられるという「道成寺de『道成寺』」公演を拝見するためです。

 が、道成寺は遠いです。せっかく遠出するのだからと、途中で和歌山市にある和歌山県立博物館に寄り道。こちらの博物館は2005年に「きのくに仮面の世界−高野山周辺の芸能と紀伊徳川家の能−」という特別展を催してらっしゃいまして、当時、学芸員の大河内智之さんからご案内を受けたものでした。

 残念ながら2年前には参ることができなかったので、今でも図録ぐらい手にはいるかな〜と思って行ったのですが、残念ながら完売済み(涙) 学習室の閲覧用に残っていた図録を舐めるように眺めて…満足行くはずもなく(笑) 「コピーさせていただけませんか?」と受付のお姉さんに懇願。本当は禁止なんだそうですが、学芸員の方にかけあって一部分だけ特別にコピーして下さいました。大感謝です。

続きを読む >>
funabenkei | 行ってきました | 09:00 | - | - | - | - |

壬生狂言

 さて、8日の話の続き。大阪で山本能楽堂での虫干し展を見た後は京都へ移動。虫干し展に誘ったお返し?ということで、友人が招待券を持っていた壬生狂言に誘ってくれたのです。

 壬生狂言は京都・壬生寺に伝わる念仏狂言のひとつで、「壬生さんのカンデンデン」という愛称で親しまれています。鎌倉時代の円覚上人(1223-1311)が、壬生寺において教えを群衆に分かりやすい形で説くために、身ぶり手ぶりの無言劇に仕組んだ持斎融通念仏を考えつき、これが壬生狂言となったと言われています。

 前々から見たいと思っていましたが、都合が付かなかったり、それ以前に公演情報に気づかなかったり…。そんなわけで初めて見ました。

 実は…山本能楽堂を出発する時間が予定より大幅に遅れたので、昼食も食べずに急いだものの、13時開演のところが壬生寺到着13時半…(苦笑) とはいえ、山本章弘師のせっかくのお話を中座してしまうのも勿体なく…。次の用事のために私は14時過ぎには壬生寺を後にしなければならなかったので、見ることができたのは『土蜘蛛』1番だけでした(^^;)

続きを読む >>
funabenkei | 行ってきました | 02:46 | - | - | - | - |

好きこそものの…

 大鼓の師匠が、稽古場として使ってらっしゃるのが大阪・山本能楽堂。前回稽古に行った際に、山本能楽堂所蔵の能面を虫干しを兼ねて展示するというチラシを見つけたので、8日、面打ちを習っている友人を誘って行きました。

 見所に展示されていたのは能面が12面。他に装束や鬘帯・扇もありましたが、全体に少なめ。もっとたくさん展示してくれたら良いのに、との思いはありましたが、無料なので、文句は言えません(笑)

 展示品には、近江のような江戸時代の作者のものもある一方で、初代堀安右衛門さんのような現代の面打ちの作品もありました。実際に今使われている能面ですから当然。その中では伊達家伝来という作者不明の小面と、やはり作者不明の半蛇(般若)が私の好きな感じでした。(結局、私には能面の良し悪しはよく分からないと思い知ったので、好き嫌いを書いてます・笑)

続きを読む >>
funabenkei | 行ってきました | 08:06 | - | - | - | - |
1/7PAGES | >> |

05
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
RECOMMEND
花よりも花の如く 7 (花とゆめCOMICS)
花よりも花の如く 7 (花とゆめCOMICS) (JUGEMレビュー »)
成田 美名子
能楽師を主人公にしたコミック第7巻。今回は憲人出演のTVドラマのお話がメイン。ドラマの舞台が京都なのが関西勢としてはちょっと楽しい。
RECOMMEND
 (JUGEMレビュー »)

CDなのに深いコミや息使いが感じられるかのよう。最高の能楽囃子CDだと思います。
RECOMMEND
中・高校生のための狂言入門
中・高校生のための狂言入門 (JUGEMレビュー »)
山本 東次郎, 近藤 ようこ
中・高校生に独占させるのはもったいない狂言入門書です。"再入門"にも最適。
MOBILE
qrcode
OTHERS
LATEST ENTRY
CATEGORY
ARCHIVE
LINKS
PROFILE
SEARCH