月見座頭雑感〜花よりも花の如く6巻より

 こんにちは、柏木ゆげひです。能楽師を主人公にしたコミック『花よりも花の如く』。その最新刊6巻をようやく読みました。

 全体を通して色々と感じることはあるのですが、私は今回、主人公の榊原憲人さんが、狂言方の宮本芳年さんにいわれて見に行った狂言〈月見座頭〉を特に取り上げてみたいと思います。

 〈月見座頭〉は私の特に好きな狂言で、私は過去に茂山千之丞師にリクエストをして演じていただいたこともあります。(→「茂山千之丞師にサインを頂きました」) 狂言で一曲、希望曲を出すなら『月見座頭』しかなく、千五郎家の中で演者の希望を出せるならば千之丞師しかいなかったのです。

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柏木ゆげひ | 本の感想(マンガ含) | 02:22 | - | - | - | - |

追悼・氷室冴子先生

またまたお能には直接関係のない話なのですが、

こちらのブログでもたびたび取り上げていました
作家の氷室冴子さんが6日、ご逝去されたそうです。

まだ51歳、これからも楽しい小説を読ませていただきたかったのに、
本当に残念です。

ご冥福をお祈りします。

ちょっと考えすぎかもしれませんが、若い世代(20代後半〜30代)に意外と能・狂言をはじめとする伝統芸能が受け入れられているのは、もしかすると中高生のころに氷室冴子さんの小説やらで古典の世界になじんでいるからかもしれない、と思うことがあります。

以下、「なんて素敵にジャパネスク」についてのお師匠こと柏木ゆげひさんの記事です。だいぶ前の記事なので、書き直したいところもたくさんあるのに、、、と言われそうですが、ここに挙げさせていただきます。

◆「なんて素敵にジャパネスク」の記事
なんて素敵にジャパネスク(1)
なんて素敵にジャパネスク(2)
ジャパネスク・アンコール!
続ジャパネスク・アンコール!
なんて素敵にジャパネスク(3)人妻編
なんて素敵にジャパネスク(4)不倫編
なんて素敵にジャパネスク(5)陰謀編
なんて素敵にジャパネスク(6)後宮編
なんて素敵にジャパネスク(7)逆襲編
なんて素敵にジャパネスク(8)炎上編
funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 00:06 | - | - | - | - |

『上方能楽史の研究』と南都禰宜役者

4757603053上方能楽史の研究
宮本 圭造
和泉書院 2005-03


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 前に、月刊『観世』の平成17年8月号から1年間に渡って連載されていた「江戸時代能楽繁盛記」のことを紹介したことがあります。【→関連記事】

 能楽史において江戸時代といえば、観世・金春・宝生・金剛・喜多の五座の猿楽(能楽)が武家の式楽として位置付けられていた時代ですが、実際には決して武家にだけに占有されていたわけではなく、特に上方(関西)においては、五流の能とは異なる独自の能楽文化が花開いていたことを紹介する連載です。私は連載が続いた間、毎回楽しみで、『観世』を買ってはそのページを拡大コピーしてファイルに入れてました。

 その連載をされていた宮本圭造助教授(大阪学院大学・日本芸能史)の大著がこの『上方能楽史の研究』です。「江戸時代能楽繁盛記」のページの端っこに繰り返し広告が載ってたので、つい買ってしまいました。実に15,000円也。Amazonのクレジットカード支払いで買いましたけれど、支払いのあった1月は他にもお金の要る月でしたので、安月給の身でもあり、少々生活が苦しかったです(汗) 本当にクレジットカードの利用は計画的にせねばなりませんね(笑)

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 07:30 | - | - | - | - |

松風と村雨で良かった

4061833650米朝ばなし―上方落語地図
桂米朝
講談社 1984-11

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 上方落語には「旅ネタ」と呼ばれる一群の道中噺があります。一番有名なのはお伊勢参りの行き帰りを物語る『東の旅』ですが、ほかにも東西南北それぞれ存在します。その中の『西の旅』に、須磨で能『松風』ゆかりの松風村雨堂に触れる下りがあります。

 「在原行平がここへ流されてきたんやな。そこに姉妹の海女がおってな。行平のお手がかかった」「ゆきひら(=行平鍋)の手が欠けたら、植木鉢にてもするよりしゃあないな」「何を言うてるねん。つまり、二人とも側女にしたんや。その姉妹の名前が俗でいかん。なんかええ名前をつけようと思うてるところへ、松風がサーッと吹いてきて、村雨がハラハラと降りかかったので、姉を松風、妹を村雨と名付けたんや」
 「うまいこと風が吹いて、雨が降ってきたさかいええけど、ピカピカとカミナリが光って、ゴロゴロときてみい。片や稲妻片や雷電」「すもうじゃがな」
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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 08:38 | - | - | - | - |

舞台裏おもて―歌舞伎・文楽・能・狂言

4837306306舞台裏おもて―歌舞伎・文楽・能・狂言
監修:山田庄一・大藏彌太郎・吉田簑助 写真:岩田アキラ
マール社 2006-04

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 タイトルの通り、歌舞伎・文楽・能・狂言の舞台裏の写真や小道具などの写真がたっぷりな本です。能や狂言は自分で出たり、催しのお手伝いをしたりして、ある程度知っている部分もありましたが、歌舞伎や文楽の舞台裏には興味深々。

 歌舞伎は『助六由縁江戸桜』をモデルに、衣装の細かい解説に納得。細かいところにいろんな工夫があるのですね。特に紋が面白くて、主人公の助六(市川團十郎さん)には、これでもかと市川家の紋が入っているのは当然、相手役の揚巻も本人の衣装には入ってなくとも、お伴の若い者の浴衣に、役者の紋が描かれていたりと芸が細かいです。男伊達が着ている「かまわぬ」(鎌に輪に"ぬ")の柄浴衣も楽しいですね。ちょっとした小道具も凝られていて、これが"粋"ってことなんでしょうか。

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 08:37 | - | - | - | - |

能楽師になった外交官

4121014898能楽師になった外交官
著:パトリック・ノートン 訳:大内侯子・栩木泰
中央公論新社 1999-08

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 著者のパトリック・ノートンさんは、ベルギーの外交官。1968年に大阪総領事として日本に赴任した際、ふとしたきっかけで神戸の上田照也師(シテ方観世流)に謡を師事して以来、その魅力に憑かれてしまったのでした。

 1972年に日本を離れますが、再び日本へ赴任することを努力し、1988〜97年には駐日大使として再び日本へ。その間に師匠の照也師は亡くなってしまいますが、代わって観世清和師、次いで照也師の三男・上田公威師に謡を習うようになりました。ノートンさんの謡稽古の体験記がこの本です。

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 13:17 | - | - | - | - |

橋岡久馬の能

4900455547アポロンにしてディオニソス 橋岡久馬の能
文:多田富雄 写真:森田拾史郎
アートダイジェスト 2000-10

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 シテ方観世流の橋岡久馬師(1923-2004)の写真集。この方の能を見たのはテレビで一度だけ。『鉄輪』でした。幕から出てきた姿は上半身が安定していない。独特過ぎる拍子あたりの謡。そんなのありか!?と一瞬目を疑うような型。…今まで見てきた能とのあまりの違いにびっくりしました。

 でも、同時に一気に引きこまれたのです。「異形の能」…そんな言葉が頭に浮かびました。決して他人が真似してはダメだと思う。けれど、その芸自体は凄まじい力を持っている。東京にはこんな能楽師もいるんだ。生で見てみたいなと思っている内に亡くなられてしまいました。非常に残念に思ってます。

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 13:25 | - | - | - | - |

『神戸在住』

4063211045神戸在住(1)
木村 紺
講談社 1999-08

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 最近、気に入ってるマンガがこの『神戸在住』。

 神戸のとある大学の文学部芸術科に通う女の子の視点で、日常を描いています。あまり大きなストーリー展開はありませんが("非日常"が日常になった阪神大震災の話は別)、その淡々とした展開が、線だけで描かれた絵の雰囲気とうまく合って、読んでいて「なんか、いいなぁ」なんて思うのです。

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 07:54 | - | - | - | - |

『外国人の能楽研究』

 最近書くのは今日の話ではないことばかりなんですが、休みの日に大学へ行きました。引っ越して近くに友人もいませんし、いても平日が休みだと捕まりません。そんなわけで能楽部の後輩にこちらから会いに行く(笑) 新入生とも話しましたが、新入生って若いです。18歳ですもんね。

 ところで大学図書館は卒業生でも申請さえすれば利用できると聞き、早速行ってきました。大学図書館に揃っている能楽やその他伝統芸能・歴史関係の本や雑誌が全部タダで読めるのですから、利用しない手はないってものです。大学ってやっぱり良い場所ですね。在学中より愛着を感じたりして(笑)

 というわけで、大学図書館から借りてきた本が『外国人の能楽研究』。法政大学能楽研究所が編集した能楽(能・狂言)と外国人との関わりについて紹介した本です。2003年7月に催された法政大学能楽セミナーでの講演と同時開催の資料展を基に編纂されてます。 目次を挙げてみると

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 23:23 | - | - | - | - |

『花よりも花の如く』4巻、『恋重荷』

4592174445花よりも花の如く(4)
成田美名子
白泉社 2006-04-05

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 さて成田美名子さんの能楽師コミック『花よりも花の如く』の最新刊をやっと読むことができました。宅配便の配達員さんとのすれ違いは実に3回。4度目にして、やっと手に入りました。ハンコ押した時に、えらくホッとされた顔をしてはった気がするのは、私の思いこみでしょうか?(笑)

 落語の『淀五郎』は「由良之助ぇ、待ちかねたぁ! ホンマに待ちかねた三日目でございます」(先代三代目林家染丸さんのCDによる)という言葉で終わりますが、私は4度目(笑) 最初の配達から1週間ほど経ってましたから、淀五郎以上に待ちかねてました(←すっかり落語好き)

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funabenkei | 本の感想(マンガ含) | 23:37 | - | - | - | - |
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